2019年8月4日日曜日

透明人間当選②


 その後色々試した結果、十秒以上目を閉じると透明になり、体に痛みを与えると元に戻る仕組みであることが判明した。

 自在に透明になれることに、俺は大いに喜んだ。


 だってそうだろ?  男のロマンが実現し放題だからさ!

 しかも今日から三連休だ。この能力を使わない手はない!!


 俺は手当たり次第女性のスカートの中身を覗きまくった。

 近くで髪の匂いも嗅ぎまくった。

 女風呂へも侵入した。

 ばれない程度に若干のお触りも……したかったがその勇気はなかった。


 しかしこりゃヤバイ!!    いままでこんな刺激味わったことない!!

 たまらん!!


 童貞の俺にはとてつもないほど刺激的だった。興奮しすぎて三連休全てをこれらの行為に費やしてしまった。


 最終日、夕方になり疲れて帰宅した。でも満足感と充実感で満たされていた。


「ああ、今日で終わりか……」


 こんなこと人生でもう無いんだろうな。


 夢の時間ももうすぐ終わる。


 てか今更だけど、この能力を使えばもっと金儲けとか、人生一発逆転する手段に使えたんじゃないのか!?

 はあ、俺ってバカだ……。

 本当今更だし、まあ楽しかったから良しとしよう。トホホ……。


 そして、深夜0時を迎えた。また頭の中に声が響いてきた。


『3日間が経過いたしました。お疲れ様でした。透明人間当選お楽しみいただけたでしょうか。

 それでは告知していた通り、今後のお手続きをご案内致します。

 早速ですが、これからあなたには透明人間当選3日間の延長を賭けてチャレンジをしていただきます。

 3分以内に自分の左目をくり貫くことができれば延長となります。さあ人生を変えるチャレンジのスタートです!』


「えっ?  延長って、左目をって……えっ?」


 問いかけても一切返事はない。

 刻一刻と時間は過ぎていく。


 どうする……、どうする……、どうする……。
人生を変えるチャレンジ……。


 時間が迫る中自問自答を繰り返す。

 そして俺は決断した。


 俺は左目を……。


















『おめでとうございます!    [透明人間] の当選が延長となりました。有効期限は3日間です。3日経過後のお手続きについては追ってご案内いたします。

 それでは存分にお楽しみください』






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